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「億万長者」「不労所得」etc..

 投資には様々な思いや欲望にまみれています。

 特に不動産投資は不労所得と言われて、家賃収入のみで生計を立てる、
自由な時間を手に入れるなどの目的で参入する投資家は少なくありません。

しかし、不動産投資には表面化しずらい大きなリスクが隠れています。

 投資行為は自らの幸せを求めて行うものですが、
裏を返すとすべてを失うリスクがそこには隠れています。

 今回は初心者では手を出さない方が良い不動産投資について記述します。


転売目的不動産投資


不動産投資には

インカムゲイン:家賃収入により利益を得る
キャピタルゲイン:購入価格よりも高い値段で売却して利益を得る

の二つがあります。

一般的に不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンと言われています。

投資するからには当然、その両方の利益を見込んで不動産購入を決めます。

しかし、インカムゲインを蔑ろにしてキャピタルゲインのみを追求する、
もはや投機的な投資が近年目立っています。

都内のタワーマンションの高騰がその最たる例です。

2017年には8,000万円だったマンションの一室が
2019年1月時点では1億2,000万円もの値段がついて販売されています。
※成約ベースでは1億1,000万円

実に4,000万円のキャピタルゲインとなっていますが、
賃料としては30万円/月程度。
表面利回りは約3%となります。
実際には30万円の賃料から管理費、修繕積立金が引かれてキャッシュフローが
約2.7%にまで落ちてしまうことになります。

これで借入を行って購入した場合はさらにキャッシュフローは下がることになってしまいます。

それでも過熱した不動産市場ではこういった投機的な売買が盛んに行われています。

もし、このバブルが弾けてしまったとき、投資家に残るのは賃料からは支払のできない返済だけです。

プロでも引き際が難しいとされるキャピタルゲインを狙った不動産投資は非常に危険です。


新築ワンルームマンション投資


近年、様々な方が注意喚起をしているおかげか新築ワンルームマンション投資は少し減ったような印象がありますが、まだまだ根深く残っております。

こちらの特徴としては

・新築なので高い家賃でも当初の入居者が入りやすい
・駅から近くて自己使用も出来ると考える
・サブリースで安定した収入となる。

といった事が挙げられます。

しかし、ここに落とし穴があります。

新築分譲時は管理費や修繕積立金が安いのですが、大体4~5年間隔で上がっていきます。

さらに、新築を購入すると2割前後価値が下がるので売ろうとしても購入時よりも安くなってしまいます。

サブリースの落とし穴は別の機会に説明します。

部屋が決まらなくてもずっと安定した収入があると思ってしまいますが、
これは貸主が不利な契約でリース料を簡単に下げる事が出来ます。

また、家賃の15~20%とリース開始から2-3ヶ月分の家賃が免責となってしまうのです。


需要を考えない相続対策アパート建設


土地に建物が何も建っていない場合、固定資産税が6倍になってしまいます。

その税金を少しでも安く抑えるように、新築アパートを建設をする方法です。

新築なので、修繕費用が多くかかることはほぼありません。

ポイントとしては
・建築費用をいかにして安く抑えるか
・最終的な収支がどのくらい大きくなるのか
・マーケティング

が大切になります。
また、新築ワンルームマンションで記述したようにサブリースの問題点もあります。


ソシアルビル投資


店舗、事務所が入り乱れる雑居ビルは利回りが非常に高く魅力的な物件に見えます。

しかし、家賃の滞納、入居客付で苦戦するケースが非常に多い投資でもあります。

長く空き部屋となっても問題ないくらいの資金力が無い場合はやめた方がいいです。

もし、長い空室に堪えられずに賃料を下げて募集したとしたら、おそらく入居は決まります。
しかし、一度入ってしまった入居者には「営業権」というかなり強い権利が発生します。
これはかなり厄介な権利となりますので、
安易に賃下げをしてしまうと、今度は賃上げが不可能になってしまいます。
それでもいいとオーナー様は判断してしまうと思いますが、
どんどん下がってしまい、売却しようにも出来なくなってしまうという問題も浮上します。

プロの業者でもよほどの物件がないと躊躇してしまうのが現実としてあるので、
購入する際はオーナーとしての覚悟と資金力が必要となります。


競売マンション、アパート投資・都内の物件


競売での物件取得には瑕疵担保免責や修繕積立金の滞納などが障害となるケースが大きくあります。

また、前の持ち主が部屋を荒く使っているとリフォームで大きい出費も考えられます。
引渡日当日に前オーナーが吊っていたという話も・・・

競売物件を専門に扱う不動産業者と話をしてみると苦労は多いようです。

また、都内の物件は土地値が高いので、どんな物件でもなかなか採算が合わないという声をよく聞きます。

それでも魅力的な物件は中にはありますので、
いい物件と悪い物件の分別が付くような目利きがあれば、
検討してもいいと思います。

■やってはいけない不動産投資のまとめ
・転売目的不動産投資
・新築ワンルームマンション投資
・需要を考えない相続対策アパート建設
・ソシアルビル
・競売物件